若林酒造 / 島根県大田市温泉津町
飲み口はとても軽快。
少し柑橘にも思えるような、シャープで爽やかな酸味が特徴です(いわゆるフルーティーなタイプではありません)。
その酸味に絡んだ甘みもまた爽やかで、味わいの構成にうまく溶け込んでいます。
甘さは感じますが、酸度が高いため甘みにフォーカスが当たりすぎず、「程よい甘み」といった印象。
言うなれば、これは“辛口”。実際、日本酒度+6と数値的にも辛口のお酒です。
四段目に少しだけ加えた「生酛の酒母」が、全体の味わいを見事にまとめています。
軽やかなだけでなく、かといって主張しすぎない――生酛独特の香り、コク、深み、酸味が、他の夏酒にはない“軽快さと奥行き”を同時に感じさせてくれます。
夏酒として非常に完成度が高く、後口はキレよくバランスの取れた日本酒です。
●九夏三伏(きゅうかさんぷく)とは、夏の一番暑い時期のことです。
真夏の暑い90日間に美味しく飲んでいただくために「生もと4段仕込」という手間のかかる製法で醸しました。
アルコール:14%
酸度:2.7
日本酒度:+6
アミノ酸度:1.8
原料米:大田市産「山田錦」100%
精米歩合:60%
もろみ日数:27日
酵母:協会9号
酒米生産者:原田 勲(大田市仁摩町在住)
杜氏:山口 竜馬(江津市在住)
http://www.kaishun.co.jp/